1.春の雪崩の 底深く
生きられるだけ 生き抜いた
残る生命(いのち)を 思い出を
山岳地図の裏側に
綴って居ります お母さん
「お母さん、本当にごめんなさい。今まで育ててくれたつぐないを
なせずに先に行ってしまうなんて……。お母さん、今死んで
しまうなんて残念だ。折角背広も作ったのに……」
2.山の仲間の 呼び声が
渓谷(たに)の谺(こだま)を 誘うまで
遙か日高の 雪の下
最後の力 ふりしぼり
頑張り抜きます お母さん
「妹達へ。さきに死んでしまってごめんよ。お母さん、お父さんは
これからお年寄りになっていくのですから、二人仲良くして
お兄ちゃんの分もめんどうをみてやってください。お姉さん。
お母さん、お父さんの事をよろしく。」
3.星の降る夜(よ)は 星になり
雲の飛ぶ日は 雲になり
たとえこのまま 別れても
お側で何時(いつ)も しあわせを
祈って居ります お母さん